健康志向の高まりとともに、フィットネスジムのニーズは年々大きくなっています。そんな中、「トレーニングが好きだからジムを仕事にしたい」「自分の店舗を持って安定したビジネスをつくりたい」と考え、ジム経営に興味を持つ人も増えてきました。
しかし、ジムをオープンすれば自動的にうまくいくわけではありません。競合が増え、市場が成熟しつつある今、事前準備と正しい知識なしに開業すれば、資金繰りに苦しむリスクも高まります。
この記事では、フィットネスジム経営の仕組みから経営を軌道に乗せるための実践的なポイントまで、順番にわかりやすく紹介します。
ビジネスモデルの把握が重要

フィットネスジムは、運動する場所を提供するサービス業であり、店舗ビジネスでもあります。お金がどこから入り、どこで出ていくのかを理解していないと、思わぬタイミングで資金不足に陥り、運営が行き詰まる可能性があります。
まずは、フィットネスジムという事業がどのように成り立っているのか整理していきます。
フィットネスジム経営とは
フィットネスジムの経営は、会員が安心して運動できる環境を整え、健康づくりをサポートする仕事です。店舗を構え、地域の人に通ってもらうという点では、飲食店や美容院と似ている部分もあります。
そのため、トレーニングの知識だけでは、フィットネスジムの経営への知識が十分あるとは言えません。人材育成やサービス品質の管理、クレーム対応、衛生管理など、運営全体を見渡す視点が求められます。
フィットネスジム経営の収益構造
フィットネスジムの中心となる収益は、毎月支払われる月会費です。入会した人が長く通い続けるほど売上は積み上がり、経営も安定していきます。
さらに、パーソナルトレーニングや回数券、物販、サプリメントなどの追加サービスを組み合わせることで、収益の幅を広げられます。
フィットネスジム経営にかかるコスト
フィットネスジムは、初期投資が大きい事業です。開業前の内装工事や機材購入に加え、オープン後も家賃、人件費、光熱費、システム費用、清掃費やメンテナンス費用など、定期的な支出が続きます。
売上が安定するまでには時間がかかるケースも多いため、「いくら入って、いくら出ていくのか」を事前にシミュレーションしておくことが大切です。
業態による違い
一口にフィットネスジムと言っても、形態は以下のように様々です。
- 24時間営業のフィットネスジム
- ヨガやダンス中心のスタジオ
- トレーナーがつくパーソナルジム
- 女性専用ジム
- 医療やリハビリと連携したメディカルフィットネス
目的によって必要な設備やスタッフ、価格帯などは大きく変わります。どの業態を選ぶかによって必要な投資額も運営方法もまったく異なるため、自分がどんなジムをつくりたいのか、方向性を明確にしておくことが重要です。
昨今特に増えているのが、24時間型のフィットネスジムです。この場合、無人時間帯がある前提で「安全性」と「会員の質」をどう担保するかが経営の要になります。
BeeQuickでは顔認証システムや入会時面談を取り入れ、安心して通える環境づくりと優良会員の維持を重視しています。
フィットネスジムを開業するまでの流れ

フィットネスジムを開業する際は、順番を決めて1つずつ準備を進めていくことが失敗を減らす近道です。本章では、フィットネスジムを開業するまでの流れをご紹介します。
コンセプト・ターゲットを決める
最初にすべきは、フィットネスジムのターゲットを明確にすることです。ターゲットが曖昧なまま進めてしまうと、メッセージがぼやけ「誰にも選ばれないジム」になってしまいます。
地域の人口構成やライフスタイル、周辺の競合状況を踏まえながら、どんな人に選ばれたいのかをはっきりさせましょう。
物件選びと立地調査
フィットネスジムにとって、立地は非常に大きな影響を持ちます。通いやすい場所かどうか、駐車場が確保できるか、周辺人口や年齢層、近隣にどんなジムがあるのかを丁寧に確認します。
家賃が安いという理由だけで決めてしまうと通いづらさがネックになり、結果的に集客で苦労するケースも少なくありません。
設備・内装・機材の準備
コンセプトが定まったら、それに合わせて設備や内装を考えていきます。トレーニングしやすい動線、安全性、清潔感、清掃のしやすさなど、見た目だけではなく、日々の運営までイメージして設計することが大切です。
設備投資は「初期コスト」だけでなく、稼働率・故障率・入会訴求に直結する“価値”で判断するのが基本です。
BeeQuickは自社開発のオリジナルマシンを導入し、自社製造による出店コスト圧縮を打ち出しています。内装のシンプル化やシャワー設備の省略など、固定費を増やしやすい要素を整理して、投資回収を早める設計を実現しています。
スタッフ採用・運営体制の構築
フィットネスジムは、スタッフがサービスの質を支えているといっても過言ではありません。受付やトレーナーの接客、言葉づかい、ちょっとした気配りによって、会員の満足度や継続率は大きく変わります。
教育体制やマニュアルづくりまで整えることで、誰が担当しても同じ水準のサービスを提供できるようになり、安定した運営へとつながります。
フィットネスジム経営にかかる費用

ここからは、フィットネスジムの経営を開始する際にかかる費用について解説します。
初期費用の目安
フィットネスジムの開業にかかる費用の目安は、パーソナルトレーニングでは300万円〜、大規模ジムになると5,000万円以上かかることもあります。
資金ギリギリの状態でスタートすると、予定外の修繕や売上の立ち上がり遅れが重なっただけで、すぐに資金繰りが苦しくなってしまうことも。少し余裕を持った計画にしておくことが、長く続けるための大きな安心材料となります。
初期費用の内訳
フィットネスジムの開業では、まず物件契約に大きなお金が動きます。保証金や敷金、礼金、仲介手数料が重なるため、場合によっては家賃の数ヶ月分を1度に支払わなくてはいけません。
次いで負担が大きいのが内装工事費です。ジムは床の補強や防音対策が必要になるほか、更衣室やシャワーなど水回りの工事も発生するため、一般的なテナントより費用が高くなる傾向があります。
具体的には、次のような項目が中心になります。
| 物件契約費用 | 敷金、保証金、礼金、仲介手数料、前家賃など |
|---|---|
| 内装工事費 | 床補強、防音・防振工事、配管工事、照明、更衣室・シャワー設置 |
| トレーニング機材 | マシン、フリーウエイト、ラック、マット、ベンチ |
| システム・設備 | 会員管理システム、セキュリティ、鍵管理、防犯カメラ |
| 広告宣伝費 | ホームページ制作、チラシ、SNS広告、オープンキャンペーン |
| 備品・消耗品 | 清掃用品、タオル、受付備品、文房具、洗剤など |
開業後にかかるランニングコスト
ジムをオープンすると、たとえ会員がまだ増えていなくても、毎月必ず発生する支出があります。代表的なものとしては、家賃や人件費、光熱費、システム利用料、広告費、設備のメンテナンス費用などがあります。
上記は固定費になるため、後から費用を抑えるのが難しく、想定が甘いと運営を圧迫してしまいます。開業後に「思った以上にお金が出ていく」と慌てないためにも、オープン前の段階で、毎月どれくらいの支出が発生するのかをシミュレーションしておくことが大切です。
フィットネスジムの開業後にかかるランニングコストは、以下のようなものがあります。
| 家賃 | 物件賃料・共益費 |
|---|---|
| 人件費 | トレーナー、受付スタッフ、アルバイトなど |
| 光熱費 | 電気・水道・空調・シャワー利用など |
| システム費用 | 会員管理システム、決済システム、予約システム |
| 広告・宣伝 | Web広告、チラシ、キャンペーン費用 |
| メンテナンス | マシン点検、修理、清掃、消耗品補充 |
| 保険・その他 |
施設賠償責任保険、通信費、雑費 など |
フィットネスジム経営を成功させるポイント

成功しているフィットネスジムには、共通して大切にしているポイントがあります。
立地と物件選びを最優先する
フィットネスジムの立地を選ぶ際は、立地や物件選びを優先することが大切です。通勤や買い物のついでに立ち寄れる場所かどうか、自宅から無理なく通える距離かどうかといった条件は、集客に大きく影響します。
「少し不便だけれど家賃が安い」といった理由でテナントを決めてしまうと、集客が伸びず、ランニングコストばかりがかさんでしまいます。“通いやすさを落とさずに家賃比率を抑える”ラインが現実的な落としどころです。
BeeQuickでは、地方でも持続可能なモデルにするために、低家賃帯の物件選定(坪単価2,000〜6,000円程度)を前提に設計する考え方を取り入れています。駐車場や動線といった立地の利便性と賃料条件をセットで評価すると、長期的な安定収益に繋がりやすいです。
会員の継続率を高める施策を実施する
退会者が多いと、売上は安定しません。声をかけやすい雰囲気づくりや、トレーニングの成果を一緒に振り返る機会づくり、目標設定のサポートなど、「ここなら続けられる」と感じてもらえる工夫が大切です。
BeeQuickはフィットネスマシンに加えて、セルフエステ・ゴルフ・ピラティス・卓球などを組み合わせ、入会促進と退会抑制を同時に狙う設計を採用しています。
数字管理を徹底する
フィットネスジムを感覚だけで経営していると、問題に気づくのが遅くなってしまいます。集客数や継続数、退会者数など、数字として確認することで、どの取り組みがうまくいっているのか、どこに改善が必要なのかがはっきり見えるようになります。
集客を外注・本部任せにしすぎない
広告会社やフランチャイズ本部のサポートに任せきりにしてしまうと、地域の特徴や雰囲気に合わない集客になることがあります。
実際に会員と接しているのは現場です。近隣店舗との連携や口コミづくり、地域イベントへの参加など、現場だからこそできる工夫を行うことで、集客力の強いジムづくりにつながります。
フィットネスジムの経営で失敗しやすいケース
フィットネスジムがうまくいかない場合、「もう少し事前に準備していれば防げた」という判断ミスが原因となっていることが多いです。
- 資金計画が甘く、オープン直後から家賃や返済に追われる
- 家賃の安さだけで立地を選び、通いづらさが原因で入会が伸びない
- スタッフ教育や運営体制が整わないまま開業し、接客の質が下がる
具体的には、上記のような事例が挙げられます。
個人経営とフランチャイズ経営の違い
個人経営のジムは自由度が高く、コンセプトや料金、サービス内容まで自分で決められます。その一方で、集客や運営の仕組みづくり、スタッフ教育まで、すべてを自分で考え、試行錯誤しなければいけません。
フランチャイズには、ブランド力やマニュアル、サポート体制を活用できるというメリットがあります。しかし、ロイヤリティが発生し、運営ルールにも従わなくてはいけません。
それぞれにメリット・デメリットがあるため、自分の資金力、性格、目指したい将来像に合った経営方法を選ぶことが大切です。
フィットネスジムの経営は事前準備が大切
フィットネスジム経営は、人の健康づくりに貢献できる、非常にやりがいのある仕事です。しかし、華やかなイメージだけで飛び込んでしまうと、現実とのギャップに戸惑うことも多いです。
ビジネスモデルを理解し、費用やリスクを冷静に見つめながら準備を進めれば、着実に成功へ近づけます。費用の見通しや開業の進め方、自分に合う経営スタイルに不安を感じている場合は、一度立ち止まり、計画を整理することが重要です。










