フランチャイズジムの開業を検討している方にとって、物件選びは最も重要な決断の1つです。加盟金や設備費、広告費などに加えて、物件取得と内装工事が大きな負担になるため、計画段階で不安になりやすいポイントでもあります。

この記事では、フランチャイズジムの物件選びで失敗しないためのポイントを、起業初心者にも分かりやすく紹介します。

フランチャイズジムは物件選びがカギ

フランチャイズに加盟すると、ブランドの知名度やマニュアル、基本的な集客ノウハウがそろっているため、ゼロからお店づくりを始めるよりも有利な状態でスタートできます。初めての開業でも、経営が安定するまでの道筋を見通しやすいです。

しかし、どれだけ魅力的なフランチャイズでも、物件選びを誤ると一気に状況は厳しくなります。家賃が高すぎて利益が出にくくなったり、想定していなかった追加工事が発生して資金が追いつかなくなることもあります。

物件選びで特に意識したいのは、「良い立地=高い家賃」になりすぎないことです。BeeQuickでは、投資を抑えて早期回収を目指す考え方を打ち出しており、家賃を始めとした固定費が重くなりすぎない物件設計を重視しています。

最初に「想定会員数で家賃を吸収できるか」「黒字化までの期間に耐えられるか」を逆算し、無理のない条件から候補を絞り込むのが現実的です。

居抜き物件とは?

フランチャイズジムの開業において、初期費用を抑える方法の1つとして検討されるのが居抜き物件です。本章では、居抜き物件の基本的な特徴について解説します。

居抜き物件の基本的な特徴

居抜き物件とは、以前入っていたテナントが使っていた内装や設備が、そのまま残っている状態で貸し出される物件のことです。

ジムの居抜き物件であれば、鏡や受付カウンター、防音仕様の床、シャワーや更衣室、照明や空調など、ジム運営に役立つ設備が残っている可能性があります。

何もない状態からお店づくりを始める場合とは違い、すべてを1から施工する必要がありません。すでに使える部分を活かしながら整えていけるため、開業までに必要な工事が限られており、時間と費用も抑えられるというメリットがあります。

スケルトン物件との違い

スケルトン物件は、内装や設備が何もない「骨組みだけ」の状態で引き渡されます。ゼロから自由に設計できる一方で、工事費用は高額になりがちです。一方、居抜き物件は既存設備を活用できる反面、設備の劣化や本部仕様との不一致といったリスクも抱えています。

どちらが良いかは、予算や開業スケジュール、フランチャイズ本部の方針によって異なるため、それぞれの特徴を理解したうえで判断することが重要です。

なお、フランチャイズ本部によっては「どんな物件でもOK」ではなく、出店に必要な条件が決まっているケースがあります。BeeQuickでは、以下のように物件の前提条件を提示しています。

  • 商業施設内・ロードサイドなどのタイプ
  • 24時間営業が可能であること
  • 駐車場の有無
  • 一定以上の面積 など

まずは“その物件が本部条件を満たすか”を確認しておくと、後戻りを減らせます。

フランチャイズジムで居抜き物件を選ぶメリット

居抜き物件を選ぶと、費用・時間・レイアウトなど、さまざまな面でプラスに働きます。

初期費用を抑えられる可能性がある

スケルトン物件からジムをつくる場合、1坪10~30万円程度かかります。30坪程度のジムを開業する場合、内装にかかる費用は500万円程度、内容によっては1,000万円を超えることもあります。

居抜き物件であれば、すでにある設備や内装を活用できるため、大掛かりな工事が必要なく、初期費用の負担を抑えられる可能性があります。ただし、造作譲渡費用や修繕費が想定以上にかかるケースもあるため、トータルコストで判断することが大切です。

開業までの期間を短縮できる

必要な設備がそろっていれば、細かな調整や補修を中心に進めるだけで開業準備が整うため、スピーディーにジムをオープンできる可能性があります。早くオープンできれば、その分早く売上づくりに取りかかれるため、資金回収のペースもつかみやすくなります。

一般的にスケルトン物件では開業まで3~6ヶ月程度かかりますが、居抜き物件では条件が合えば1~2ヶ月程度で開業できるケースもあります。

設備・動線がジム向きに整っている

もともとジムやスタジオとして使われていた物件なら、受付から更衣室、トレーニングスペースまでの動線が整っている可能性が高いです。ゼロからレイアウトを考えるよりも完成形をイメージしやすく、運営の具体的なシミュレーションもしやすくなります。

ジムとしての認知がある

過去にジムとして営業していた場所は、近隣の人に「ここはジムがあるところ」という印象が残っている可能性が高いです。新しい広告やチラシを出す際もイメージしてもらいやすく、まったくの新規立地よりスムーズに認知されやすいです。

フランチャイズジムで居抜き物件を選ぶデメリット

居抜き物件には、特有のデメリットも存在します。

設備の劣化・老朽化のリスクがある

物件に残っている設備や内装は、以前のジムでもそのまま使用されていたものです。そのため、劣化による故障のリスクを抱えています。配管や電気、空調、床の強度などは、外から見ただけでは判断できず、オープンしてから不具合が見つかる場合もあります。

修繕や交換が必要になると、想定外の費用が追加されてしまい、結果的に初期費用が高くなってしまうケースも珍しくありません。内見時には専門家に同行してもらい、設備の状態を詳しくチェックすることが重要です。

本部が指定した仕様と合わない場合がある

フランチャイズジムには、内装デザインや看板の大きさ、カラーリング、機材の配置など、細かな仕様が決められています。居抜き物件の状態が本部の仕様と合わない場合、大幅な工事が必要になります。

時間も費用も余計にかかってしまうので、事前に施設や設備の仕様を本部に確認しておくことが不可欠です。契約前に本部担当者と一緒に内見することで、トラブルを未然に防ぐことができます。

譲渡費用が発生することがある

居抜き物件では、残っている内装や設備は、造作譲渡の対象となるケースがあります。中古設備の相場より割高な条件が提示されることもあるため、事前に契約内容を確認しておくべきです。

どの設備に、いくら支払うのかを事前に確認し、納得したうえで契約します。可能であれば、設備ごとに見積もりを取り、適正価格かどうかを判断できると良いです。

フランチャイズジムに適した物件の選び方

安易に居抜き物件を選ぶと、想定以上にリフォーム費用がかかる、フランチャイズジムとして営業できないといったトラブルに発展する可能性があります。ここでは、物件探しを進めるうえで意識したいポイントを紹介します。

こまめに不動産情報をチェックする

条件が良い物件ほど、すぐに契約が決まってしまいます。掲載された直後から問い合わせが集中し、迷っているうちに契約済みになることも珍しくありません。

普段から不動産ポータルやジム向けの専門サイトをこまめにチェックし、気になる物件が出たら情報だけでも早めに押さえておくことが大切です。

フランチャイズ本部やジム物件に強い不動産会社に希望条件を共有しておくと、非公開物件を紹介してもらえる可能性があります。

物件を見つけたらすぐに内見を依頼する

写真や図面だけで判断すると、思わぬ見落としが出てしまいます。実際に現地へ足を運ぶと、匂いや湿気、騒音や振動、天井の高さ、周辺の雰囲気など、数字や写真では分からない点が見えてきます。

少しでも「気になる」と感じたら、まずは内見の予約を入れて、実際に物件を確認しましょう。現地で問題がなければ、次の検討段階に進むぐらいのスピード感が理想です。

本部ルール・仕様に合っているか確認する

契約へ進む前に、必ずフランチャイズ本部へ物件情報を共有しましょう。看板の大きさや設置場所、カラーリング、動線、設備基準など、フランチャイズには細かな仕様が決められていることがあります。

居抜きの状態では、そのまま使えない場合もあるため注意が必要です。本部と一緒に確認しておけば、やり直し工事や余計な出費を防ぐことができ、結果的に負担を抑えられます。

ここはフランチャイズの強みが最も活きる部分です。BeeQuickでは「物件調査」を出店サポートの1つとして掲げており、全国の路面店やショッピングセンターなどの候補提案から、出店エリアの利便性・人の流れを踏まえた物件選びまで支援しています。

物件は“見つけること”よりも“選び方”で失敗しやすいため、本部の調査・提案プロセスを積極的に使うのが安全です。

前テナントの業態を確認する

これまでどんな店舗が入っていたかによって、必要な対策は大きく変わります。ジムやスタジオであれば比較的スムーズにオープンできますが、飲食店やカラオケ、ライブハウスなどの場合、臭いが残っていたり、油汚れや配管の劣化が進んでいたりすることがあります。

見た目がきれいでも、見えない部分の修繕に費用がかかることがあるため、業態は必ず確認しておきます。不動産会社や物件オーナーに前テナントの業態や退去理由を聞いておくと、リスクを事前に把握できます。

管理規約・用途制限を確認する

契約直前にトラブルになりやすいのが、管理規約・用途制限の見落としです。マンションや商業ビルには管理規約があり、下記のような制限が設けられている場合があります。

  • スポーツジム不可
  • 重い機材の設置禁止
  • 夜間営業不可
  • 音や振動に関する制限

用途地域や用途変更の必要性も含めて、物件オーナーや不動産会社に細かく確認し、書面で条件を残しておくと安心です。

居抜き物件で失敗しやすいケースと対策

居抜き物件で失敗してしまうケースの多くは、「安いから」という理由だけで決めてしまったときに起こります。本部へ確認をしないまま契約してしまったり、修繕費や追加工事の見込みを含めずに予算を立てたりすると、結果的に大きな負担を抱えることになります。

まずは現地をしっかり確認し、必要であれば専門家やフランチャイズ本部に相談しながら進めることが大切です。初期費用だけで判断するのではなく、開業後にかかる可能性のある費用まで含めた「トータルコスト」を考えることで、トラブルは事前に避けられます。

契約前には、必ず以下のポイントを確認してください。

  • 設備の使用年数と修繕履歴
  • 造作譲渡の内訳と金額の妥当性
  • フランチャイズ本部の仕様との適合性
  • 管理規約や用途制限の詳細
  • 前テナントの退去理由

これらを丁寧にチェックすることで、開業後のトラブルを大幅に減らすことができます。

フランチャイズジムの物件選びは慎重に

フランチャイズジムの開業は、どの物件を選ぶかによって、その後の運営や収益に大きな違いが生まれます。居抜き物件は初期費用を抑えられる可能性がある一方で、設備の劣化リスクや本部仕様との不一致といったデメリットも存在します。

メリットとデメリットの両方を理解したうえで、自分の状況に合った物件を選ぶことが成功への第一歩です。