ダイエットやボディメイクにおいて、最も警戒される栄養素はなんといっても脂質でしょう。🍕
油=太るというのは誰しもが持つイメージで、「痩せるためにはまず油ものを控える」とよく言われるほどです。
また健康面においても、脂質の過剰摂取は肥満や生活習慣病などに繋がるという認識があり、一般的に「脂質=悪いもの」と思われがちです。💀

しかし一方で、脂質には皮下脂肪や内臓脂肪、血中脂肪(いわゆる体脂肪)としてエネルギーを貯蔵する役割があります。
また、水分を除く人間の身体の約43%は脂質から成り立っており、ホルモンや細胞膜などを生成する為の材料にもなります。🔥
つまるところ、適量の脂質の摂取は健康の為にも必須であると言えるでしょう。

今回はそんな三大栄養素のうちの1つである脂質に注目し、私たちが摂るべき様々な脂質について解説していきます!👓

「脂肪酸」に注目!脂質の種類について


普段私たちが摂取する食事に含まれる脂肪の多くは中性脂肪と呼ばれ、小腸でリパーゼという酵素によって脂肪酸とグリセロールに分解されます。
この「脂肪酸」は炭素・水素・酸素の分子が結合して構成されていますが、その内の炭素の数や炭素同士の結合状態によって脂肪酸は分類されます。
短鎖脂肪酸・中鎖脂肪酸・長鎖脂肪酸をはじめとし、飽和脂肪酸不飽飽和脂肪酸などとその種類は様々です。🖋️

中でも特に健康に良いとされるのが一価不飽和脂肪酸であるオメガ9系や、多価不飽和脂肪酸に分類されるオメガ3系・オメガ6系の脂肪酸になります。
このうちオメガ3系の脂肪酸は意識的に摂取をしないと普段の食事から摂る機会が少なく、不足しやすい栄養素の一つとされています。🧐

脂質と言えば…!MCTオイルなどにも含まれる「飽和脂肪酸」について

飽和脂肪酸は二重結合をもたない脂肪酸で、乳製品や肉などの動物性脂肪、パーム油やココナッツオイルの植物油脂に多く含まれています。
重要なエネルギー源となるものの、悪玉のLDLコレステロールを増やす作用があり、過剰摂取により生活習慣病の発症リスクを増加させる恐れがあります。
そのことから、一日の摂取量の目安はエネルギー摂取量の7%以下が望ましいとされています。🛎️

普段私たちが摂取する食事に含まれる飽和脂肪酸の多くは長鎖脂肪酸と呼ばれ、主に肉類に含まれる炭素数が12以上の脂肪酸になります。
長鎖脂肪酸はリンパ管経由で吸収され、血管を通り運ばれるため吸収が遅く、体脂肪として体内に蓄積されやすいという特徴があります。

一方で、体脂肪として蓄積されにくいという特徴を持つ脂肪酸が中鎖脂肪酸です。👍
中鎖脂肪酸はココナッツオイルや母乳、牛乳などにも含まれている天然成分で、炭素数が8~12程度の脂肪酸です。
直接肝臓へ運ばれ分解されるので長鎖脂肪酸に比べ消化されるのが早く、素早くエネルギーに変換されるため、体脂肪として蓄積されにくい点が特徴です。
ダイエット中の脂質源として、近年ではヤシやパームといった植物から取れる油であるMCTオイルが中鎖脂肪酸を最も効率よく摂取できるとして注目されています。👀

またもう一つ同様に消化吸収されやすく体に蓄積されにくい脂肪酸として、短鎖脂肪酸があげられます。
主に乳製品に含まれ、炭素数が6個以下の脂肪酸です。
短鎖脂肪酸は大腸の腸内細菌が摂取した食物繊維を分解する際に産生する成分でもあり、腸内の善玉菌の生成を促し、悪玉菌を減少させる働きがあります。
さらに、腸内の殺菌・静菌、ウィルス侵入のバリアするという働きもあることから、腸の守護神とも呼ばれています。🏋️
短鎖脂肪酸に分類される、酪酸やカプロン酸は主にバターなどに多く含まれています。
しかしながら経口摂取では小腸で脂肪酸が吸収されてしまう為、前述した大腸で期待される様々な効果は見込めない点に注意しましょう。

健康の為に積極的に摂取したい!オメガ3などをはじめとした「不飽和脂肪酸」について

不飽和脂肪酸と呼ばれる脂肪酸の多くは健康にとって良い効果を持ち合わせています。

中でも優先的に摂取したい脂肪酸として、まずはオメガ3系の多価不飽和脂肪酸があげられます。💡
体内でつくられず、食物から摂る必要のある必須脂肪酸で、代表的な脂肪酸にα-リノレン酸DHAEPAなどが挙げられます。
一日の摂取量の目安は成人で1.6~2.2gです。
近年、オメガ3を豊富に含む油としてアマニ油えごま油が注目されており、青魚などに含まれる脂肪酸としても知られています。
いわゆるフィッシュオイル系のサプリメントに含まれる脂肪酸で、中性脂肪の減少や血栓の抑制、脳神経機能の向上など様々な健康効果を持ちます。
しかしながら酸化しやすく加熱に向かない為、料理にかけたり生のままでの摂取が推奨されています。

次に意識したい脂肪酸として、オリーブオイルなどに含まれるオレイン酸をはじめとしたオメガ9系の一価不飽和脂肪酸が挙げられます。
体内でも生成が可能な脂肪酸で、摂取量の目安などは特に定められていませんが、悪玉のLDLコレステロールを減らす作用があるとされています。
また、酸化に対する安定性が高く、保存や加熱などにも向いており扱いやすいため、比較的意識せずともきちんと摂取出来ている場合が多いです。🧑‍🍳
しかしながら、過剰摂取は肥満や冠動脈疾患のリスクが示唆されているので注意が必要です。

最後に覚えておきたい脂肪酸として、リノール酸などのオメガ6系の多価不飽和脂肪酸があげられます。
体内でつくられない必須脂肪酸として、一日の摂取量の目安は成人で8~11gとされています。🔔
ごま油コーン油ひまわり油などに含まれており、オメガ9系と同様に悪玉のLDLコレステロールを減らす作用があるとされています。
一方でフライドポテトやカップラーメンなど、揚げ物や炒め物の油として使われることが多い為、無意識のうちに過剰摂取してしまいがちな面もあります。🍟
オメガ6系の過剰摂取は乳がんや心筋梗塞の発症率を高めることが認められている為、意識的に摂る際には総量に注意する必要があるでしょう。

実は世界では大注目!?健康に害のある注意すべき脂質「トランス脂肪酸」について

ここまで見ると不飽和脂肪酸は総じて健康に良いようにも思えてきますが、そんな中にも注意すべき脂肪酸が1つあります。
それが、「トランス脂肪酸」です。⚠️

日本ではあまり取り上げられることはありませんが、世界的には健康に悪影響を与える可能性の高い脂質として注目されています。😱
トランス脂肪酸は、植物油などからマーガリンやショートニングなどを製造する際や植物油を高温にして脱臭する工程で生じる脂肪酸です。
様々な健康への悪影響が確認されており、世界中で年間50万人がトランス脂肪酸による病気で亡くなっているというほどです。

WHO(世界保健機関)では健康増進の為の目標量としてトランス脂肪酸の摂取量を全エネルギーの摂取量の1%未満に抑えるように推奨しています。
この提言を受けて、すでにアメリカの一部州や、台湾などではトランス脂肪酸の食品への使用を禁止しています。⛔
また、EU加盟国やシンガポールではトランス脂肪酸濃度の上限値を設定したうえ表示を義務付けています。
近隣の国である韓国や中国でも、食品中のトランス脂肪酸濃度の表示が義務付けられているほどです。


少し難解な内容だったかとは思いますが、いかがでしたでしょうか?🤯
それでもここまで読んで下さった方だったら、なんとなくで知っておくだけでも今後脂質の見方が変わるかもしれませんね。
様々な種類のある脂質ですが、自分に必要な脂肪酸を見極め日々の食事に取り入れていきましょう!🤓

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