「インナーマッスル」と聞くとお腹周りや身体の中心部の奥深くにある筋肉が良くイメージされますが、実は私たちの身体にはもう一つ大事なインナーマッスルが存在します。
それが今回お話するローテーターカフと呼ばれる、肩周りの筋肉群です👓

ローテーターカフとは肩甲骨から腕の付け根の骨にくっついている4つの筋肉(棘上筋・棘下筋・小円筋・肩甲下筋)の総称で、日本語では回旋筋腱板(腱板)と呼ばれます📔
肩甲骨から腕の付け根に位置する肩関節は、人間の関節の中でも最も自由度が高く、様々な角度に動かすことが出来る関節です。
一方でその自由度が故に安定性が損なわれやすい関節とも言え、最も思い浮かぶ症状の1つが「脱臼」です🤕
この安定性を保ち正常な機能を果たすための役割を担っているのがローテーターカフと呼ばれるインナーマッスルです。
ここを鍛える事により怪我の予防やパフォーマンスの向上、更には肩こりや四十肩の改善が見込めます!✨

ローテーターカフの役割について

図の青くなっている部分がローテーターカフで、インナーマッスルという通り方や背中の筋肉に隠れた所にある筋肉群です。
もう少し見やすいように、肩甲骨の表側だけを拡大してみましょう🔍
基本的に、筋肉はその両端が近づくように縮む際にその役割としての力を発揮します。
これを筋肉の「作用」と言いますが、上の図で青く示している筋肉は棘上筋と呼び、腕の骨を横に持ち上げる作用があります。
また、この動きを「肩関節の外転」と呼びます。

その下に肩甲棘(けんこうきょく)と呼ばれる骨を挟んで存在するのが棘下筋です。
腕の骨の後ろ側から肩甲骨にかけて付いている筋肉で、腕の骨を外向きに捻る作用があります。
この動きを「肩関節の外旋」と呼びます。

💡豆知識
棘の下にある=棘下筋。
反対に先ほどの棘上筋は棘の上にあるのでそう呼ばれるわけですね!

さらにその下に位置するのが小円筋です。
棘下筋と似たような位置に付いていることからも分かる通り、同様に肩関節の外旋の作用があります。
図の様子が代わり、こちらは肩甲骨を裏側から見た状態になります👁‍🗨
先ほどの3つの筋肉とは異なり、肩甲骨の裏側に大きく広がって付いているのが肩甲下筋です。
棘上筋・小円筋とは反対に、腕の骨の前側にかけて付いている筋肉であることから、この筋肉は腕を内向きに捻る作用があります。
この動きを「肩関節の内旋」と呼びます。

以上をまとめるとローテーターカフの作用として、

肩関節の外転(棘上筋)
肩関節の外旋(棘下筋・小円筋)
肩関節の内旋(肩甲下筋)

の大きくざっくり分けて3種類の作用があることが分かります🧐
(それぞれの動きをもっと分かりやすく確認したい方は、【筋肉の動き大辞典】の記事を参考にしてみて下さい!)

ではここからは、それぞれの動きに合わせて効果的な種目を紹介していきましょう💁‍♀️

⚠⚠⚠これらの種目を行う際は…⚠⚠⚠
背中が丸まらないように背筋を伸ばして少し胸を張り、首がすくまないように肩を落とした「正しい姿勢」で、肩が大きく動かないように意識をして下さい。

また、軽い重量無理のない可動域高回数行うようにしましょう!

インターナルローテーション

①「正しい姿勢」で腕を降ろした時の肘の高さに、ゴムバンドなどを固定する。
②固定したゴムバンドが身体の横に来るように立ち、近い”方の手でゴムバンドを握る。
③肘を90度に曲げ、反対側の手をゴムバンドを持った方の肘と身体で挟み込むように固定する。
④握ったゴムバンドを正中線側に動かす。
⑤③の位置に戻す。
⑥④~⑤を繰り返す。

この種目は肩甲骨の内旋の作用を持つ、肩甲下筋を鍛える為の種目となります。
ベンチプレスなどのプレス系種目に関わってくる部位となりますので、ローテーターカフの種目としては積極的に取り入れたい種目の1つです🏋️‍♀️

エクスターナルローテーション

①「正しい姿勢」で腕を降ろした時の肘の高さに、ゴムバンドなどを固定する。
②固定したゴムバンドが身体の横に来るように立ち、遠い”方の手でゴムバンドを握る。
③肘を90度に曲げ、脇を締めて肘を身体にくっつけた状態で固定したまま、握ったゴムバンドを正中線から離すように動かす。
④③の位置に戻す。
⑤③~④を繰り返す。

この種目は肩甲骨の外旋の作用を持つ、棘下筋・小円筋を鍛える為の種目となります。
前述のインターナルローテーションと対をなす2つの筋肉になりますので、鍛える際はバランスよく2種目両方とも取り入れるようにしましょう!👯‍♀️

フルカン(エンプティカン)エクササイズ

①「正しい姿勢」のまま、ゴムバンドの端を踏み、もう一方を踏んだ側に近い方の手で握る。
②肩が上がってしまわないように、ゴムバンドを握っていない方の手で反対側の肩を押さえて固定する。
③握ったゴムバンドを、少し斜め前(真横より30度程度前)に向けて、腕を伸ばしたまま45~60度程度上げていく。
④②の位置に戻す。
⑤③~④を繰り返す。
※腕を上げる際、肩よりも高い位置に上げると痛める可能性があります。

この種目は肩甲骨の外転の作用を持つ、棘上筋を鍛える為の種目となります。
これらの動作中、親指が上側にある状態で行うとこの種目をフルカンエクササイズと呼びます。
逆に親指が下側にある状態で行うと、この種目をエンプティカンエクササイズと呼びます。
エンプティカンエクササイズを行う際は、無理に腕を上げすぎてしまうと肩を痛める危険性があります⛔
その為、40~60度程度の無理がない範囲内で動作を行うように注意する必要があります。

所説ありますが、基本的には安全性を考慮してフルカンエクササイズで行うことが推奨されています🔰
満遍なく鍛えたいという方はエンプティカンエクササイズも取り入れると良いでしょう。

💡豆知識
これら2つは一見難しそうな種目名に見えますが…
手に中身が満タン(フル)の缶を持っている様な状態=こぼれないように親指が上側にある状態になるのでフル・カン
中身が空っぽ(エンプティ)の缶を持っている様な状態=親指を下側にした状態でも大丈夫ということでエンプティ・カン
この様に由来を知ると、動きと共に種目名の理解がしやすいですね🤓

普段からトーレニングをしている方だと、ついつい重い重量で大きく可動域を取って取り組んでしまいがちです。
しかしローテーターカフにおいては冒頭でも触れたとおり、意識出来る程度の軽い重量、かつ限られた可動域の中で高回数取り組むことが重要です!
(トレーニー向けに言うと、パーシャルレップの様なイメージで行うと良いでしょう。)

日常生活からトレーニングまで、あらゆるパフォーマンス向上に効果的なローテーターカフのトレーニング。
是非とも興味のある方は、今回ご紹介した種目を取り入れてみて下さい!🎉

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